2025/04/07 22:05
当店の販売形態は、ネット販売による小売業と卸業、BtoC、BtoB両方を扱う形だと考えている。
そんな中で自分の役割、販売者の役割とは何なのか、最近ずっと考えている。考え込んでいる。
幸い、石は食料品や衣料品とは異なり、残るもの、残しやすいものですから、長く楽しむこともできると思っています。
知人や子供達、後世の世代に受け継ぐこともできると思います。
もちろん、自分一人で終わることだってあると思います。
残すにしても、石として残す、ジュエリーとして残す、目的によって求められる石やその状態も変わり、たくさんのパターンがあると思います。
ソーシャルメディアで石について見ていると、流行り、値上がり、その他いろいろな状況が見えますが、仮に、そういう状況を考えずに、個人が石と向き合ったときに、普遍的なことは何か?と考えたりもします。
ルースが好き
ジュエリーが好き
標本が好き
美しいものが好き
可愛いものが好き
など
日用品、装飾品としての歴史、石が人にもたらすもの。
多種多様な趣味の中から石を選んだ理由。
対象物が何であれ、気持ちを向ける共通点。
石は、消耗品ではなく、その場限りのものではないこと。
買うこと、買えたことに満足すること、所有し続けることに満足すること、自分の好みを追求できること。
石にまつわるあれこれを考えていたら、販売することの意味や役割、価値というものがどれ程のものかと思いました。
売って終わりではない。
売れることのみに価値があるのではなく、売ったことでもたらされる変化に価値があるのだとも考えます。
エンドユーザーの手に渡るまで、それを支える採掘から研磨の工程、流通、販売経路、人と技術の価値。
気軽に手に取れる価格にも価値はあり、手の届かないような価格にも価値はあり、どちらもありだとは思いますが、この業界全体を考えるであらば、一つ一つのお店が事業を継続できることが大事。
それにより、石にまつわる仕事や技術が保たれることも大事。
商売、利益は大切だが、大事なことは何かを自分の中で明確にしておかないと、目先のことばかりになりそうなので、こういった考える時間も大切だなと思っています。
販売者として悩むことの一つとして、値付けがあります。
仕入れ値がいくらだから、販売価格はいくらにするのような考え方は、誰もが知ることのできる内容ですが、表面的なこと、場当たり的なことを見ていたら、おそらくは事業が続かず店仕舞いとなってしまうかもしれない。
今後、おそらくは、むしろ確実に価格の見直しと過去の価格設定よりも値上げをしなければならない場面がくると思います。
それでも選んでいただくためには、商売に対する理想や理念があること、高くても満足してもらえる価値ある石とサービス、流行り廃りに左右されない地に足をつけた地道な取り組みが求められるのだと考えています。